ビタミン剤の選び方ととりすぎ、飲み合わせなどの注意点を解説

ビタミン剤は、体に必要なビタミンを補うための製品です。ドラッグストアや薬局で見かける製品は、大きく3つに分類できます。
| 分類 | 位置づけ | 特徴 |
|---|---|---|
| 医薬品のビタミン剤 | 症状の改善・予防などを目的とする薬 | 承認された効能・効果、用法・用量がある |
| 医薬部外品のビタミン含有保健剤 | 医薬品より作用が穏やかな製品 | 認められた範囲で効能・効果を表示できる |
| サプリメント・健康食品 | 食品 | 栄養補給が中心。疾病の治療・予防目的では使わない |
医薬品のビタミン剤は、国の承認を受けて効能・効果が認められています。医薬部外品は、医薬品より穏やかな作用の範囲で効能を表示できる製品です。
サプリメントは食品に分類されるため、病気の治療や予防を目的とする表示はできません。ただし、栄養機能食品や機能性表示食品など、制度に基づいて一定の機能表示が認められている食品もあります。
製品の分類によって表示できる内容や使い方が異なります。迷ったときは薬剤師にご相談ください。パッケージを一緒に確認しながら、目的に合う選び方をご案内できます。
ビタミンには水溶性と脂溶性がある
ビタミンは全部で13種類あり、水溶性9種類と脂溶性4種類に分かれます。この違いは、あとで説明する「とりすぎ」のリスクに関わる大切なポイントです。
- 水溶性ビタミン:ビタミンB群、ビタミンC。水に溶けやすく、余った分は尿として排出されやすい性質があります
- 脂溶性ビタミン:ビタミンA、D、E、K。油に溶けやすく、体内に蓄積しやすい性質があります
水溶性ビタミンでも、大量にとれば体に負担がかかることがあります。ビタミンCのとりすぎで、下痢や吐き気などが起こる可能性も報告されています。「水溶性なら多くても平気」とは考えず、目安量を守ることが大切です。
主なビタミンの働き
それぞれのビタミンには、体の中での役割があります。代表的なものを、多く含む食品とあわせて紹介します。
ビタミンB群
エネルギーづくりに関わる栄養素として知られています。ビタミンB1は糖質からのエネルギー産生に関わります。不足すると、疲れやすさやだるさにつながることがあります。
ごはんや麺類など糖質を多くとる方、お酒をよく飲む方は消費されやすい栄養素です。豚肉、豆類、玄米などに多く含まれます。
ビタミンC
皮膚や血管を構成するコラーゲンの生成に関わる栄養素です。体内でつくることができないため、食事などから補う必要があります。喫煙される方は、ビタミンCが消費されやすいことが知られています。柑橘類、キウイフルーツ、ピーマンなどに多く含まれます。
ビタミンD
カルシウムの吸収を助け、骨の健康維持に関わる栄養素です。日光を浴びることで皮膚でもつくられます。屋内で過ごす時間が長い方や高齢の方は、不足しやすいといわれています。魚類やきのこ類に多く含まれます。
ビタミンE
抗酸化作用をもつ栄養素として知られています。ナッツ類や植物油に多く含まれます。
ビタミンA
目や皮膚、粘膜の健康維持に関わる栄養素です。レバーや緑黄色野菜に多く含まれます。緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンは、体内で必要な分だけビタミンAに変わります。
ビタミン剤を使うときの注意点
とりすぎに注意が必要なビタミンがある
脂溶性ビタミンのうち、特にビタミンAやDは、とりすぎに注意が必要です。
ビタミンAのうち、レチノールなどの既成ビタミンAを過剰にとると、頭痛や吐き気などにつながることがあります。妊娠中、妊娠の可能性がある方は、自己判断で高用量のビタミンAを追加しないよう注意しましょう。なお、野菜由来のβ-カロテンは、既成ビタミンAと同じ問題は生じないとされています。
ビタミンDのとりすぎは、血液中のカルシウム濃度が高くなることがあります。
ビタミンKは、過剰摂取よりも次に説明する薬との飲み合わせに注意が必要な栄養素です。
「体にいいものだから多めに」という考え方は避けましょう。製品に記載された用法・用量、目安量を守ることが基本です。複数の製品を併用すると、同じビタミンを重複してとってしまうことがあります。マルチビタミンと単体のビタミン剤を併用している方は、成分表示の重複を一度確認してみてください。
薬との飲み合わせに注意する
ビタミン剤やサプリメントでも、薬との相互作用が起こることがあります。
ワルファリンを服用中の方は、ビタミンKを多く含む食品やサプリメントのとり方に注意が必要です。ビタミンKがワルファリンの作用を弱めることがあるためです。納豆、青汁、クロレラなどについては、医師・薬剤師の指示に従ってください。
骨粗しょう症の治療薬、活性型ビタミンD製剤、カルシウム剤などを使用している方も注意が必要です。ビタミンDやカルシウムを含む製品を追加する前に、薬剤師へ確認してください。
服用中の薬がある方は、ビタミン剤を使い始める前に薬剤師にお声がけください。お薬手帳があると、飲み合わせの確認がスムーズです。
基本は毎日の食事から
ビタミン剤はあくまで補助的な位置づけです。栄養の基本は、主食・主菜・副菜のそろった食事にあります。だるさや不調が長く続く場合は、ビタミン不足以外の原因も考えられます。自己判断で済ませず、医療機関の受診もご検討ください。
こんなときは薬局でご相談ください
次のような方は、製品を選ぶ前に一度ご相談いただくと安心です。
- 病院からの処方薬を服用している方
- 妊娠中、授乳中、または妊娠の可能性がある方
- 複数のサプリメントをすでに利用している方
- お子さまや高齢のご家族に使いたいと考えている方
- 「どの分類の製品が自分に合うか」迷っている方
ビタミン剤は、過剰摂取をしすぎると、逆にさまざまな不調(過剰症)が発生します。そのため、添付書に書いている用量以上の摂取は控えるようにしましょう。





