塩分補給の役割とは?熱中症対策には必要だけれど、摂り過ぎにも注意!

まだまだ気温が高い日が続きます。水分の補給だけでなく、忘れてはいけないのは塩分の補給です。塩分は、カラダの調節機能を担います。そのため、汗を大量にかいている中で、水分だけを補給していると、血中内の濃度が低下してしまい、熱中症の原因になってしまいます。ただし、過剰に摂り過ぎてしまうことも問題ですので、目安も知ることも重要になります。
この記事では、塩分補給の役割から1日の摂取量の目安、そして、食品に含まれる含有量について紹介していきます。
①塩分の役割とは?
塩分(ナトリウム)は体内で水分バランスや血液量を調整し、神経や筋肉の正常な働きを維持する重要な栄養素です。細胞内外の浸透圧を保ち、心臓や血管の機能調節にも関わっています。また、消化液の成分としても働き、栄養素の吸収・輸送にも必要不可欠です。
②塩分補給をしないとどうなるの?
塩分不足により低ナトリウム血症が起こると、頭痛、けいれん、疲労感、吐き気、筋肉のこむら返りなどの症状が現れます。大量の発汗時に水だけを補給すると血中ナトリウム濃度が低下し、熱中症の原因にもなります。重症化すると錯乱、昏睡状態に陥る可能性もあります。
③塩分を摂り過ぎると、どのような症状になる可能性があるのか?
塩分過剰摂取により血液中のナトリウムが増えると、体が水分を取り込んで血液量が増加し、高血圧を引き起こします。高血圧は慢性腎臓病、心疾患、脳卒中などの生活習慣病のリスクを高めます。また、むくみや胃がんのリスク増加も報告されています。
④塩分摂取の1日の目安とは?
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2020年版」では、成人男性7.5g未満、成人女性6.5g未満が目標量です。高血圧の予防・治療には6g未満が推奨されています。WHOでは全成人に対し5g未満を推奨しており、生命維持に最低限必要な量は約1.5gです。
⑤塩分の多い食品にはどのようなものがあるのか?
カップめんやインスタントラーメンは1食で1日の目標量に近い塩分を含むため、特に注意が必要です。日常的な調味料や漬物類も塩分が高く、使用量や頻度に気をつけましょう。(商品によって含有量は異なります。詳細は、それぞれの商品の栄養成分表示をご確認ください。)
食品名 | 塩分量(g) | 目安量 |
---|---|---|
カップめん | 6.9 | 1個 |
インスタントラーメン | 6.4 | 1袋 |
塩鮭 | 3.0 | 1切れ |
醤油 | 2.6 | 大さじ1杯(18g) |
塩サバ | 2.5 | 1切れ |
梅干し | 1.8 | 中1個(8g) |
アジの開き | 1.8 | 1尾 |
きゅうりの漬物 | 1.6 | 小鉢1杯(30g) |
ソース | 1.5 | 大さじ1杯(18g) |
味噌汁 | 1.5 | 1杯 |
明太子 | 1.4 | 1腹(25g) |
ハム | 1.4 | 2枚(50g) |
その他注意点
最近は、塩分摂取の方法として、タブレットが主流になりつつあります。1日の摂取量に制限はありませんが、発汗に合わせて適度に調整して使うことが望ましいとされています。水100mlに対して1粒が目安とされています。もし、高血圧などで摂取塩分量に制限がかかっている方の場合は、医療機関にご相談の上使用するのが良いでしょう。