低気圧でつらい（低気圧不調）時の対処方法とは？

「梅雨時や台風シーズンに頭痛やめまいがひどくなることはありませんか？」

実は日本人の3人に1人が「低気圧不調」を経験しており、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。

そこで、この記事では、低気圧で悩む方向けにつらさを緩和するための対策方法について紹介していきます。

低気圧不調の代表的な症状とは？

頭痛・めまい・倦怠感が主な症状として挙げられます。特徴的なのは複数の症状が同時に現れることで、約半数が2つ以上の不調を併発していると言われています。

低気圧に悩んでらっしゃる方は、次のような感覚があるのではないでしょうか？

症状タイプ	特徴
頭痛	脈打つような痛み、光過敏
倦怠感	体が鉛のように重い
めまい	ふわふわ感、吐き気伴う
むくみ	顔や手足の腫れ

これらの症状は低気圧接近時に悪化し、天候回復とともに軽減する傾向があります。ただし激しい頭痛や持続するめまいがある場合は、医療機関を受診するのが良いでしょう。

低気圧不調はどうして起こるの？

低気圧不調の主な原因は内耳の気圧センサー異常と自律神経の乱れにあるとされています。気圧が5hPa低下すると三半規管が過敏になり、脳に異常信号が伝達されることで片頭痛が誘発されます。

特に影響を受けやすいと言われる一例が以下に挙げられます。

• 乗り物酔いしやすい人
• 片頭痛持ちの人
• 月経前症候群（PMS）がある女性
• ストレスを感じやすい性格
• 自律神経のバランスが崩れやすい人

低気圧不調のつらさを緩和する対策とは？

低気圧不調の対策は、自律神経の乱れを調整するような対策をするのが基本です。具体的には、以下のような対策があります。

耳マッサージで内耳の血流を改善

親指と人差し指で耳全体を優しくつまみ、上下左右に5秒ずつゆっくりと引っ張ります。これを1日3回、各耳に対して行います。このマッサージにより内耳の血流が改善され、めまいや頭痛の軽減につながります。特に気圧の変化を感じやすい耳介後部や耳たぶを重点的にマッサージすることで、より高い効果が期待できます。

入浴法で自律神経を整える

38-40℃のぬるま湯に15分程度浸かることで、副交感神経が活性化され、リラックス効果が得られます。入浴中は深呼吸を心がけ、肩まで湯につかることで体温調節機能が向上します。入浴後は急激な温度変化を避けるため、ゆっくりと体を拭き、保温に努めましょう。就寝1-2時間前の入浴が最も効果的で、質の高い睡眠にもつながります。

水分管理で体内バランスを保つ

1日1.5Lを目安に、少量ずつこまめに水分を摂取しましょう。ただし、カフェインやアルコールは利尿作用があるため控えめにします。朝起きたときと入浴前後は特に水分補給が大切です。また、スポーツドリンクなどの電解質を含む飲料を適度に取り入れることで、体内の水分バランスを整えやすくなります。

照明調整で光過敏を軽減

室内の明るさは500ルクス以下に抑え、直接光源を見ないよう間接照明を活用しましょう。ブルーライトカットフィルターを使用したり、スマートフォンの夜間モードを活用したりすることも有効です。特に頭痛がひどい時は、遮光カーテンを使用して部屋を暗くし、目の負担を軽減することが大切です。

睡眠管理で体調を整える

就寝1時間前にはスマートフォンやパソコンの使用を控え、ブルーライトの影響を最小限に抑えましょう。寝室の温度は18-22℃、湿度は50-60%に保つのが理想的です。毎日同じ時間に起床し、6-7時間の規則正しい睡眠リズムを維持することが大切です。

低気圧不調の症状を緩和するお薬とは？

低気圧不調の症状緩和には、頭痛に効く鎮痛剤、抗めまい薬、漢方薬が有効です。症状や体質に応じて選択し、医師や薬剤師に相談して適切な薬を使用することが大切です。

鎮痛剤

イブプロフェンやアセトアミノフェン、ロキソプロフェンなどの成分を含む薬は、頭痛や関節痛の緩和に効果があります。ただし、イブプロフェンやロキソプロフェンなどのNSAIDsは、胃粘膜を荒らす作用があるため、胃薬との併用が推奨されることがあります。

抗めまい薬

内耳の血液循環を改善し、めまいや耳鳴りなどの症状を軽減します。抗めまい薬はいわゆる乗り物の酔い止めとして流通していますが、ひどいめまいの場合は、処方箋が必要であるため、耳鼻科などの医師にご相談ください。

漢方薬

五苓散（ごれいさん）などが、低気圧不調に効果があるとされています。五苓散（ごれいさん）は、体内の水分バランスを整え、自律神経の乱れに作用します。むくみ、めまい、頭痛、吐き気などの症状に効果があります。

漢方薬を検討する場合は、必ず薬剤師に相談してから購入することをおすすめします。糖尿病、腎疾患などの疾病がある方には注意が必要だからです。

低気圧不調で以下の症状があれば、医療機関に相談を

以下の症状が現れた場合は、医療機関の受診をおすすめします。

まとめ

低気圧不調は適切な対策をすることで負担の軽減が見込まれます。

重要なのは「気圧変化を事前把握する」「生活習慣を整える」「適切なお薬を活用する」の3つです。

あまりに症状がひどい場合は、医療機関を受診し、適切な対処方法の指導を受けた上で、必要に応じてお薬の処方を受けるのが良いでしょう。