低用量ピルとは?種類・購入方法・アフターピルの解説
ピルとは、どんなお薬なのか?
ピルとは、一般的に「経口避妊薬」を指します。女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンが配合されており、避妊目的だけでなく、生理痛や生理不順、PMS(月経前症候群)など、生理にまつわるさまざまな症状の改善にも使用されます。
ピルは、そのホルモン含有量により、大きく分けて低用量ピルと中用量ピルの2種類に分類されます。低用量ピルは、ホルモン含有量が中用量ピルに比べて少ないため、頭痛や嘔気、血栓症などの副作用のリスクが軽減されます。このため、副作用を考慮し、一般的には低用量ピルが使用されます。一方、中用量ピルは主に生理日を移動させる時や、緊急避妊(アフターピル)用として使用されます。
しかし、ピルの服用には注意が必要で、喫煙者や血栓症の既往がある人、基礎疾患のある人、あるいは年齢によっては、ピルの服用が禁忌となることがあります。また、妊娠中や授乳中の人も服用できません。そのため、ピルを服用する際には、婦人科などの医療機関の診察が必要です。
さらに、ピルには避妊のほかにも、月経痛や子宮内膜症の症状改善、にきび治療、貧血予防、多毛、肌荒れの解消、卵巣ガン、子宮体ガンの発症率の低下などの副効用があります。これらの効果目的で服用するユーザーも多く、現在は服用者の6割が避妊以外の効果目的であるといわれています。
低用量ピルの種類について
低用量ピルは、その開発順及び含有する黄体ホルモンの種類によって、第一世代、第二世代、第三世代と分類されます。また、子宮内膜症及び月経困難症の治療を目的にした時は保険適用で処方されます。
世代 | 特徴 | 薬名 |
---|---|---|
第一世代 | 出血量が減りやすく、月経困難症のコントロールに優れ、子宮内膜症の治療効果も高い。不正出血の頻度が若干高い。 | オーソM、シンフェーズ |
第二世代 | 不正出血がしにくく、安定した周期を作りやすい。 | トリキュラー、アンジュ、ラベルフィーユ |
第三世代 | 男性ホルモン(アンドロゲン)作用抑制効果が高い。大人にきびの治療や多毛症の改善に期待が持てる。 | マーベロン、ファボワール |
保険適用 | 子宮内膜症及び月経困難症の治療目的で保険適応。 | ルナベルLD、ルナベルULD、フリウェル配合錠LD |
低用量ピルの購入方法について
低用量ピルは医療機関(婦人科など)の受診が必要です。体質や目的によって処方されるピルが異なるため、かかりつけの医療機関を選択した方が良いでしょう。医師の指導を受けて正しく服用することが重要です。
アフターピルとは
アフターピル(緊急避妊薬)は、妊娠を希望していないにもかかわらず、妊娠の可能性がある性行為をしてしまった場合に、緊急的に使用するピルです。避妊をしなかったとき、避妊に失敗してしまったときなどに、72時間以内に服用することで、8割強の妊娠阻止率が得られるとされています。
性交後妊娠を望んでいないにもかかわらず、以下のようなことがあった時は、すぐに婦人科などの医療機関を受診してください。
- 行為中にコンドームが破れた、外れた
- 避妊せず性交した
- 膣外射精など、避妊とは言えない行為があった
- 経口避妊薬を飲み忘れていた
- 排卵日前後に性交し、妊娠の不安がある
アフターピルの服用後、以下のような副作用が現れることがあります。
- 吐き気
- 乳房の張り・倦怠感・傾眠・胃腸障害
- 少量の出血
- 肌荒れ
これらの副作用は一般的に軽度にとどまります。ただし、副作用が強く感じる場合や、気になる症状が出たときは、すぐに医療機関の受診を行いましょう。
アフターピルの注意点
72時間以内であれば確実に妊娠が阻止できるわけではなく、時間の経過とそもに阻止率が低下していきます。そのため、72時間以内であれば良いというわけではなく、「不安を感じた時点で即座に」が推奨されます。
オンライン診療からの通信販売のサービスもありますが、受診までに時間がかかってしまったり、クリニックの配送センターからの距離が遠いなどが原因で、受け取りに遅延が発生しては、阻止率が下がる可能性が懸念されます。
オンライン診療を利用する時は、可能な限りすぐに確実に手に入るように近隣の調剤薬局を指定するのが良いでしょう。
緊急避妊薬の取り扱い
ハニュウ薬局の中で、緊急避妊薬を取り扱っている店舗は以下の通りです。婦人科などを受診していただき、処方箋をご持参ください。