水分不足になりがちだと健康にどのような影響がありますか?

「毎日十分な水分を摂取していますか?」体調不良や頭痛、便秘など、さまざまな不調が水分不足によって引き起こされていることをご存知でしょうか。人間の体の約60%は水分でできており、水分バランスは健康維持に欠かせない要素です。
今回は水分不足が健康に与える影響と、それを回避するために十分に気を付けるべきことを紹介します。
水分不足が健康に与える影響とは?

水分不足は私たちの健康に様々な影響を及ぼします。体内の水分が1%減少すると喉の渇きを感じ始め、2%減少すると運動能力が低下し始めます。3%減少すると強い喉の渇き、ぼんやり感、食欲不振などの症状が現れ、4~5%減少すると疲労感や頭痛、めまいなどの脱水症状が出現します。
さらに水分が不足すると、皮膚や口唇、舌の乾燥、皮膚の弾力性低下、微熱などが起こります。重度の場合は、食欲低下、脱力、意識障害、血圧低下、頻脈などの症状が現れます。
水分不足の症状は自覚しにくいことも特徴で、特に高齢者の方は、症状が明らかになりにくいため注意が必要です。長期間にわたって水分が少しずつ失われる「蓄積脱水」の場合、気づきにくく慢性的な健康問題を引き起こす可能性もあります。
水分不足と血圧は関係あるの?
水分不足になると、血液に含まれる水分量が減少し、血液がドロドロした高粘度の状態になります。これにより血管が収縮し、血液循環に問題が生じます。水分不足の状態が続くと、血液の流れが悪くなり、血圧に悪影響を与えだします。
人の体は暑くて体温が上昇すると、体温を調整するために汗をかいたり血管が開いたりして熱を外に逃がします。体の水分が外へ出ていくので、適切な水分補給を行わないと体内の水分が不足し、血圧は下がります。血液の水分量も少なくなるため、血液が濃くなり流れが悪くなります。
水分不足と頭痛には関係あるの?
頭痛は脱水症状の初期段階でよく見られる症状です。水分不足になると、脳への血流が悪くなり、酸素や栄養分が不足することで頭痛を引き起こす可能性があります。
脳は水分を必要とする器官であり、体内の水分が不足すると血液がドロドロになって血流が悪くなります。その結果、血管を拡張して周囲の神経を刺激し、頭痛を引き起こします。水分不足による頭痛の理由には、脳の血流減少による酸欠状態、脳の電解質バランスの乱れ、痛覚過敏になることなどが考えられています。
頭痛の原因は、水分不足とは限りません。意識的に水分補給をしても、一向に症状がひどいこともありえますので、その時は、医療機関を受診するようにしましょう。
水分不足と便秘には関係あるの?
水分不足は便秘の原因の一つとなります。体内の水分が不足すると、大腸での水分吸収が増加し、便が硬く乾燥したものになりやすくなります。これにより排便が困難になり、便秘の症状が現れます。
便秘の予防と改善には、水分摂取だけでなく、食物繊維の摂取や適度な運動なども併せて行うことが効果的です。食事も含めて少なくとも一日に2.5リットル以上の水分を補給する必要があると言われていますが、飲み物だけで補うのは難しいため、汁物などの水分が多い食事から水分を補うことも重要です。
水分不足の症状を早期に発見するポイント
水分不足の症状は進行するまで気づきにくいことがあります。早期発見のポイントとして、以下のサインに注意しましょう。
「べた」「だる」「ふら」「いた」の4つのサインが水分不足のサインとされています。「べた」は汗をかいていなくても首筋などがべたつく状態、「だる」は体のだるさがとれない状態、「ふら」はめまいや立ちくらみがある状態、「いた」は足がつる、頭が痛いといった症状を指します。
舌の湿潤状態や皮膚の状態も重要な指標となります。舌に潤いがなく乾燥している場合や、皮膚が乾燥して弾力性が低下している場合は水分不足のサインとされています。また、尿の色が濃い黄色や茶色の場合も水分が不足している状態といえます。
適切な水分補給の目安
適切な水分補給のためには、1日の必要な水分量を把握することが重要です。一般的に、成人が1日に必要な水分量は約2.5リットルとされています。このうち、食事から約1リットル、代謝水として約0.3リットルを摂取できるため、残りの約1.2リットルを飲料水から摂取する必要があります。
水分補給は、喉が渇く前にするようにしましょう。喉の渇きを感じたときには、すでに脱水が始まっている状態だからです。
また、一度に大量の水分を摂取するのではなく、こまめに少しずつ飲むことが効率的です。一度に多量の水分を摂ると体内に吸収しきれず、尿として排出されてしまいます。また、急激な水分摂取は体内のナトリウム濃度を低下させ、体調不良を引き起こす危険性があります。
また、高熱を伴っている場合は、水分がどんどん汗になって外に逃げていきます。そのため、効率的な水分補給のほかに、不足してしまう電解質も補う必要があります。その場合は、経口補水液を選んで水分補給をするのが良いでしょう。
カフェインを含む飲み物(緑茶、紅茶、コーヒーなど)やアルコールには利尿作用があり、体内の水分を排出してしまうため、水分補給としてはあまり適していません。これらの飲み物を摂取する場合は、別途水分を摂るよう心がけましょう。
まとめ
水分不足は様々な健康問題を引き起こす可能性があります。喉の渇き、頭痛、めまい、便秘、疲労感などの症状が現れる前に、適切な水分補給を心がけることが重要です。
人間の体の約60%は水分で構成されており、脳や筋肉、腸、腎臓、肝臓などの臓器になると水分含有量は約80%と多くなります。この水分が体内を循環することで、栄養素や代謝物を運んだり、老廃物を排泄したり、体温調節したりすることにより、人の生命機能は維持されています。
1日の目安として、約1リットルを食事から、約1.2リットルの水分を飲料から摂取し、こまめに少しずつ飲むようにしましょう。
特に高齢者や病気を持つ方、運動をする方、暑い環境にいる方は水分不足になりやすいため、より意識的な水分補給が必要です。のどが渇いていなくても、時間を決めるなどして意識的に水分を取るように心がけましょう。日常生活の中で水分摂取を習慣化し、健康な体を維持しましょう。