処方箋に「いらない薬」があるときは?薬が余っている場合の相談方法と注意点

「家に薬が残っているのに、また同じ薬が処方された」「飲みにくくて使えていない薬がある」。処方箋を受け取ったとき、こうした理由から「この薬はいらないかもしれない」と思ったことはありませんか?
薬が余っている場合や、服用に困っている場合は、主治医や薬剤師に相談できます。それによって、処方箋に書かれたお薬の量を減らしたり、別のお薬に変更することもできます。ただし、この時に正しい残量を伝えたり、禁忌とされるお薬に変更することはありません。
この記事では、処方箋に不要だと感じる薬があるときの対処方法と、相談前に確認しておきたいポイントを紹介します。
処方箋の薬を「いらない」と感じるのはどんなとき?
家に薬が残っていて、処方された量が必要ないと感じる
前回処方された薬が残っていて、今回も同じ量を受け取ると、手元の薬が増えてしまうことがあります。このような飲み残しや使い残しの薬は「残薬」と呼ばれます。
残薬が生じる理由はさまざまです。飲み忘れのほか、症状があるときだけ使う薬の使用回数が少なかった、入院中に薬が変更された、といった事情も考えられます。
薬が残っていること自体を遠慮して、相談をためらう必要はありません。残量や服用状況を伝えることは、今の状態に合った処方を検討するための情報になります。
効き目や飲みやすさに問題があり、使えていない
「飲んでも効いている実感がない」「錠剤が大きくて飲みにくい」「服用後に気になる症状が出た」などの理由で、薬の使用を控えている場合もあります。
この場合は、余っている量に加えて、使えていない理由を伝えることが重要です。薬の量だけを調整しても、服用に困っている原因が解決しなければ、再び薬が余る可能性があるためです。
薬を使ったあとに体の異常を感じた場合は、次の診察まで待たず、医師や薬剤師に相談しましょう。薬との関係も含めて確認してもらう必要があります。
まずは診察時に主治医へ相談する
薬が余っていることが分かっている場合は、できるだけ処方箋が発行される前に、主治医へ伝えましょう。診察時に残量と理由を共有すると、それを踏まえて今回の処方を検討してもらえます。
例えば、次のように伝えると、状況が分かりやすくなります。
- 「この薬が自宅に20錠残っています。今回の量を調整できますか」
- 「飲み忘れることがあり、前回の薬が10日分ほど残っています」
- 「飲んだあとに気になる症状があり、使えていません」
- 「錠剤が飲みにくいので、飲みやすい形の薬に変更できるか相談したいです」
医師は、残薬だけでなく、病状や次回の受診予定なども確認して、処方量や薬の変更が必要か判断します。必ず希望どおりに減量・変更できるわけではありませんが、困りごとを伝えることが見直しのきっかけになります。
厚生労働省の高齢者向けの指針でも、残薬が多い場合は処方日数の調整だけでなく、薬が余る原因を確認し、服用する環境に合わせて対応することが示されています。厚生労働省「高齢者の医薬品適正使用の指針(各論編)」
処方箋を受け取ったあとでも、薬剤師に相談できる
診察時に伝え忘れた場合や、処方箋を受け取ってから薬が余っていることに気づいた場合は、薬局で薬剤師に相談してください。処方箋を渡す際に「家に残っている薬があるので、量について相談したい」と伝えるとよいでしょう。
薬剤師は、残っている薬の種類や量、実際の服用状況を確認します。処方内容について医師への確認が必要な場合は、薬局から医療機関へ連絡します。この確認を「疑義照会」といいます。
疑義照会は、薬を安全かつ適切に使用するための確認です。医師からの回答を待つ必要がありますので、通常より薬の受け取りに時間がかかります。また、残薬調整等の対応は、処方箋に記載された医師の指示などによって異なり、希望通りになるとは限りません。
相談前に、薬の名前と残量を確認しよう
残薬について伝えるときは、記憶だけで「たくさん余っています」と話すより、実際に残量を確認しておくと正確に伝えられます。
診察や薬局へ行く前に、次の内容を整理しておきましょう。
- 薬の名前と、分かれば規格・含量
- 残っている量(錠数、包数、本数など)
- 現在の使い方と、最後に使った時期
- 薬が余っている理由や、服用時に困っていること
例えば「白い錠剤が残っている」だけでは、どの薬か特定しにくいことがあります。薬の名前が分からない場合は、薬の袋や説明書、お薬手帳を用意しましょう。残っている薬そのものを薬局へ持参して相談する方法もあります。
何日分か計算するのが難しければ、無理に換算する必要はありません。「30錠残っている」「未開封が2本ある」など、確認できた量をそのまま伝えてください。
また、残量だけでなく理由もメモしておくと、診察時に話し忘れにくくなります。「昼の薬を忘れやすい」「飲み方が分からなかった」など、普段の状況を率直に伝えましょう。
「いらない」と感じても、自己判断で中止しない
薬が余っていることと、治療上その薬が不要であることは、同じではありません。症状が落ち着いていても、継続して使う必要がある薬があります。
「効いている感じがしない」「もう必要ない気がする」という場合も、自己判断で服用量を減らしたり、中止したりせず、医師や薬剤師に確認しましょう。すでに使用を控えている場合は、そのことも伝えてください。適切な治療を考えるうえで、実際の服用状況は大切な情報です。
まとめ
処方箋に「いらない」と感じる薬がある場合は、薬の名前と残量、使えていない理由を確認し、できるだけ診察時に主治医へ相談しましょう。処方箋を受け取ったあとでも、薬局で薬剤師に相談できます。医師への確認によって待ち時間が長くなる場合はありますが、遠慮せず伝えてください。
薬の処方や変更は、診察・検査の結果や、持病、併用薬などを踏まえて医師が判断します。そのため、希望する薬があっても、診断の結果などから適切ではないと判断された場合や、禁忌(使用してはいけない条件)に該当する場合は、処方できません。
薬が余っていることや服用の困りごとを医師・薬剤師に共有し、自分に合った治療について相談しましょう。





