お薬の種類とは?医療用医薬品・OTC医薬品・市販薬の違いを解説

お薬の種類とは?医療用医薬品・OTC医薬品・市販薬の違いを解説
2026年8月10日時点

私たちが日常的に接するお薬は、大きく「医療用医薬品」と「OTC医薬品」に分けて考えると整理しやすくなります。

医療機関で処方される薬、薬局やドラッグストアで自分で選んで購入する薬、ジェネリック医薬品、スイッチOTCなど、呼び方が違うと「何がどう違うの?」と迷うこともあるでしょう。

この記事では、お薬の基本的な分類と、知っておきたい用語を薬局の視点からわかりやすく解説します。

医療用医薬品 医療機関での診断や治療に用いられる医薬品です。患者さんが使用するものの多くは、医師・歯科医師の処方箋に基づいて薬局で調剤されます。
OTC医薬品 処方箋がなくても購入できる医薬品です。「市販薬」「大衆薬」と呼ばれることもあり、要指導医薬品と一般用医薬品があります。

お薬の種類を一覧で確認

まずは、お薬の分類の全体像を確認しましょう。OTCは「Over The Counter」の略で、薬局などのカウンター越しに購入する薬という意味から使われるようになった言葉です。

医薬品の分類

  • 医療用医薬品
    • 処方箋医薬品
    • 処方箋医薬品以外の医療用医薬品
  • OTC医薬品
    • 要指導医薬品
    • 一般用医薬品
      • 第1類医薬品
      • 第2類医薬品(指定第2類医薬品を含む)
      • 第3類医薬品

このほか、薬局がその薬局の設備で製造し、同じ薬局で直接販売する「薬局製造販売医薬品(薬局製剤)」もあります。この記事では、多くの方が接する機会の多い医療用医薬品とOTC医薬品を中心に紹介します。

医薬部外品・化粧品・サプリメントは「医薬品」とは別です

店頭で医薬品と近い売り場に置かれていても、医薬部外品、化粧品、健康食品・サプリメントは医薬品ではありません。表示できる効能・効果や使われ方が異なります。

医療用医薬品とは

医療用医薬品は、医療機関で病気の診断や治療に用いられる医薬品です。一般の患者さんが使用する医療用医薬品の多くは、医師または歯科医師が症状、年齢、体質、検査結果などを考慮して発行した処方箋に基づき、薬剤師が調剤します。

効果が高い薬だけでなく、使用方法や副作用、ほかの薬との飲み合わせに専門的な管理が必要な薬もあります。処方された薬を自己判断で増減したり、中止したり、家族や知人に譲ったりしないでください。

処方箋医薬品

原則として、医師・歯科医師の処方箋に基づいて使用する医療用医薬品です。薬局では処方内容、重複、飲み合わせ、アレルギー歴などを確認して調剤します。

処方箋医薬品以外の医療用医薬品

医療用医薬品のうち、法律上の「処方箋医薬品」に指定されていないものです。ただし、市販薬と同じように自由に選んで購入する薬という意味ではありません。

処方箋は全国の保険薬局で受け付けられます

一部の特殊な薬を除き、処方箋は医療機関の近くにある薬局だけでなく、都合のよい保険薬局へ持参できます。詳しくは「処方箋はどこの薬局でも受付できる?」をご覧ください。

OTC医薬品(市販薬)とは

OTC医薬品とは、医師・歯科医師の処方箋がなくても購入できる医薬品です。軽い体調不良への対応や健康管理に活用されますが、「処方箋がいらない=副作用がない」という意味ではありません。

OTC医薬品は、販売時に必要となる専門家の関与や副作用などのリスクに応じて、要指導医薬品と一般用医薬品に分けられます。

区分 主な位置づけ 販売に対応する専門家 購入時のポイント
要指導医薬品 医療用からOTCへ移行して間もない薬など、使用者本人への確認と指導が特に必要な薬 薬剤師 薬剤師による情報提供・指導が必要。2026年5月以降は、品目や状況に応じてオンラインでの情報提供等を経た販売も可能
第1類医薬品 副作用や相互作用などの点で、使用に特に注意が必要な一般用医薬品 薬剤師 薬剤師による情報提供を受けて購入。インターネット販売も可能
第2類医薬品 副作用や相互作用などの点で、使用に注意が必要な一般用医薬品 薬剤師または登録販売者 指定第2類医薬品では、禁忌の確認や専門家への相談が特に重要
第3類医薬品 第1類・第2類以外の一般用医薬品 薬剤師または登録販売者 比較的リスクが低い区分でも、用法・用量や使用上の注意を守る必要がある
「第3類だから安全」とは限りません

分類はリスクの程度や情報提供の必要性に応じた販売区分です。どの区分でも、副作用やアレルギー、飲み合わせの問題が起こる可能性があります。妊娠中・授乳中の方、子ども、高齢の方、持病がある方、ほかの薬を使用している方は、購入前に薬剤師または登録販売者へ相談しましょう。

最近よく聞く「OTC」に関する用語

スイッチOTC

スイッチOTCとは、もともと医療用医薬品として使われていた有効成分が、処方箋なしで購入できるOTC医薬品へ転用されたものです。承認直後は要指導医薬品に指定され、その後の調査やリスク評価を経て一般用医薬品へ移行する場合があります。

ダイレクトOTC

ダイレクトOTCとは、日本で医療用医薬品として使用された実績がない有効成分を、直接OTC医薬品として承認したものです。スイッチOTCとは開発の経緯が異なります。

OTC類似薬

OTC類似薬は、市販薬そのものではなく、OTC医薬品と同じ有効成分や似た効能を持つ医療用医薬品を指すときに使われる言葉です。OTC医薬品とOTC類似薬は、処方箋の要否、使用できる対象、効能・効果、用法・用量などが同じとは限りません。

2027年3月から予定されているOTC類似薬の負担見直し

厚生労働省では、OTC医薬品と成分・投与経路が同一で、1日最大用量が異ならない医療用医薬品のうち約77成分について、薬剤費の4分の1を通常の窓口負担とは別に負担する仕組みを2027年3月から施行する予定です。2026年8月10日時点では、負担を求めない患者さんや治療の範囲などについて議論が続いています。

セルフメディケーション

セルフメディケーションとは、自分自身の健康に責任を持ち、軽い体調不良は自分で手当てする考え方です。OTC医薬品の活用もその一部ですが、症状が重い、長引く、繰り返す場合には医療機関を受診することが大切です。

セルフメディケーション税制

健康診断など一定の取り組みを行っている方が、対象となるOTC医薬品を一定額以上購入した場合に利用できる医療費控除の特例です。すべてのOTC医薬品が対象ではないため、パッケージの識別マークやレシートを確認してください。

2026年5月から始まった「指定濫用防止医薬品」

市販薬の過量摂取(オーバードーズ)を防ぐため、2026年5月1日から「指定濫用防止医薬品」の販売ルールが厳格化されました。次の6成分を含む医薬品が対象です。

エフェドリン コデイン ジヒドロコデイン ブロモバレリル尿素 プソイドエフェドリン メチルエフェドリン

対象製品を購入するときは、薬剤師または登録販売者が、年齢、使用目的、ほかの店舗や製品での購入状況などを確認します。複数個や大容量の製品を購入する場合には、その理由も確認されます。これは販売を不必要に制限するためではなく、依存や健康被害を防ぎ、必要な支援につなげるための仕組みです。

市販薬でも、決められた量を超えて使うのは危険です

「効かないから」と短時間で追加したり、複数のかぜ薬や解熱鎮痛薬を併用したりすると、同じ成分を重ねて摂取するおそれがあります。つらさから大量に使用したくなる、やめられないなどの状態がある場合は、一人で抱え込まず、薬剤師、医療機関、地域の相談窓口へ相談してください。

先発医薬品・ジェネリック医薬品などの違い

先発医薬品(新薬)
新しい有効成分などについて研究・開発され、最初に承認された医薬品です。特許期間や再審査期間を経た後、ジェネリック医薬品が発売されることがあります。
ジェネリック医薬品(後発医薬品)
先発医薬品の特許期間などが終了した後に承認される医薬品です。先発医薬品と同一の有効成分を含み、品質、有効性、安全性が同等であると確認されています。
長期収載品
同じ成分のジェネリック医薬品がある先発医薬品です。医療上の必要性などがない状態で患者さんが先発医薬品を希望する場合、通常の窓口負担に加えて「特別の料金」がかかることがあります。
バイオシミラー(バイオ後続品)
先行するバイオ医薬品と同等・同質の品質、安全性、有効性を持つ医薬品として開発される薬です。化学合成された一般的なジェネリック医薬品とは、評価方法や製造方法が異なります。
長期収載品の特別料金は2026年6月に変更

2026年6月から、患者さんの希望で長期収載品を選ぶ場合の特別料金は、先発医薬品とジェネリック医薬品の価格差の「2分の1相当」になりました。医師が医療上必要と判断した場合や、薬局にジェネリック医薬品の在庫がない場合などは対象外です。

飲み薬・塗り薬・注射薬など、剤形による分類

同じ有効成分でも、体内への取り入れ方や薬の形によって、効果の現れ方や使い方が変わります。主な分類は次のとおりです。

分類 主な剤形 使用時の注意例
内服薬 錠剤、カプセル剤、散剤・顆粒剤、シロップ剤など 服用回数、服用時点、飲み物との相性、錠剤を割ったり砕いたりできるかを確認する
外用薬 軟膏、クリーム、ローション、貼付剤、点眼薬、点鼻薬、吸入薬、坐剤など 使用する部位、1回量、使用間隔、開封後の保管方法を確認する
注射薬 静脈注射、筋肉注射、皮下注射、点滴など 医療機関で使用するもののほか、インスリンなど患者さん自身が指導を受けて使用する薬もある

医薬部外品・化粧品・サプリメントとの違い

区分 基本的な位置づけ 表示の確認ポイント
医薬品 病気の診断、治療、予防や、身体の構造・機能に作用することを目的とするもの 「医療用医薬品」「要指導医薬品」「第1類医薬品」などの区分を確認
医薬部外品 吐き気などの不快感、口臭・体臭、あせもなどの防止、育毛、除毛など、定められた目的に用いられ、人体への作用が緩和なもの パッケージに「医薬部外品」と表示される。承認された範囲を超える治療効果はうたえない
化粧品 身体を清潔にする、美化する、魅力を増す、皮膚や毛髪を健やかに保つなどを目的とし、人体への作用が緩和なもの 医薬品のような治療・予防効果を目的とするものではない
健康食品・サプリメント 法律上は食品に分類される。日常の食事を補う目的で使われるものが多い 「天然」「健康によい」という表示だけで、薬との併用が安全とは限らない
漢方薬も「医薬品」に含まれることがあります

漢方薬は、医師が処方する医療用医薬品にも、薬局やドラッグストアで購入できるOTC医薬品にもあります。自然由来の生薬を使っていても、副作用や飲み合わせは起こり得ます。

薬を安全に使うための5つのポイント

  1. 用法・用量を守る:効き目が弱く感じても、自己判断で回数や量を増やさない。
  2. 薬の併用を伝える:処方薬だけでなく、市販薬、漢方薬、サプリメントも薬剤師へ伝える。
  3. お薬手帳を一冊にまとめる:複数の医療機関や薬局を利用していても、服薬情報を一元化する。
  4. 症状が続くときは受診する:市販薬を使い続けて症状を隠さず、改善しない場合は医療機関へ相談する。
  5. 疑問を残したまま使わない:飲み方、保管方法、飲み忘れたときの対応などを薬剤師へ確認する。

お薬手帳は、処方薬だけでなく、市販薬やサプリメントを含めた飲み合わせの確認にも役立ちます。「お薬手帳を持参・提示するメリット」もあわせてご確認ください。

お薬の種類に関するよくある質問

OTC医薬品と市販薬は同じものですか?

日常的には、ほぼ同じ意味で使われます。OTC医薬品には、要指導医薬品と一般用医薬品が含まれます。

処方薬の方が市販薬より強いのですか?

一概には言えません。成分や量、対象となる症状、剤形が異なる場合があります。「処方薬だから強い」「市販薬だから弱い」とだけ判断せず、症状や体質に合っているかが重要です。

ジェネリック医薬品は効き目が弱いのですか?

ジェネリック医薬品は、先発医薬品と治療学的に同等であることが確認されて承認されます。有効成分は同じですが、添加剤、色、形、飲みやすさなどが異なる場合があります。気になることがあれば薬剤師へご相談ください。

市販薬と処方薬を一緒に使ってもよいですか?

同じ成分や似た作用の成分が重なったり、組み合わせによって副作用が起こりやすくなったりすることがあります。自己判断で併用せず、使用中の薬が分かるものやお薬手帳を見せて、薬剤師へ確認してください。

薬剤師と登録販売者の違いは何ですか?

薬剤師は、処方箋に基づく調剤、すべての一般用医薬品・要指導医薬品の販売や相談対応ができます。登録販売者は、一般用医薬品のうち第2類・第3類医薬品の販売や相談対応を担います。

参考資料

制度や対象品目は今後変更される場合があります。最新情報は厚生労働省・PMDAの公表資料をご確認ください。

LINE公式アカウント

ハニュウ薬局では、各店舗ごとにLINE公式アカウントをご用意しています。

かかりつけの店舗を登録すると、以下のサービスが無料でご利用いただけます。

処方箋の事前送信・待ち時間短縮 お薬のフォローアップ通知 調剤完了のお知らせ 電子お薬手帳との連携

▼ かかりつけの店舗を選んで登録できます

  • URLをコピーしました!
目次