調剤薬局でも保険証の提示が必要な理由とは?

調剤薬局でも保険証の提出を求められます。保険証を確認される理由について今回は簡単にお答えします。
保険証は、令和6年12月2日から新規発行が停止されました。現在は、マイナンバーカードによるマイナ保険証のほかに、資格確認書を提示することになります。
保険証とは?
日本では国民皆保険制度というものがあります。これは全ての国民が公的医療保険に加入することになっているものです。加入する保険は、以下の5つに分類されます。
(1) 国民健康保険(市町村) 自営業者、年金受給者など
(2) 健康保険(全国健康保険協会[協会けんぽ]、各種健康保険組合) 企業の従業者や日雇労働者など
(3) 共済組合(各種共済組合) 国家・地方公務員や私学教職員など
(4) 船員保険 船舶の船員など
(5) 後期高齢者医療制度(後期高齢者医療広域連合) 75歳以上の人および65歳~74歳で一定の障害の状態にある人
保険証を提示することで、お薬の調剤にも保険が適用されます。現在は、マイナンバーカードに紐づけられたマイナ保険証が原則です。マイナンバーカードを持っていない、または利用登録をしていない人には、資格確認書が発行されます。
薬局に保険証の提示が必要な理由とは?
保険対象内に認められた治療やお薬の調剤をした時に、予め定められた費用の実費以外の部分を請求することができます。その時に保険証の番号や記号などが正しい状態でない場合、請求が受理されなくなってしまいます。そのため、請求が受理されなくなると、残りのお薬の代金を後から頂かなければなりません。月1回確認するのは、転職などで保険の種類が変わっていると、番号も変わっているため、確認が必要になるためです。
薬局に行ったら忘れずに保険証を提示しましょう。
法的な根拠としては、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則第三条一項(処方箋の確認など)の条文がございます。
第三条 保険薬局は、被保険者及び被保険者であつた者並びにこれらの者の被扶養者である患者(以下単に「患者」という。)から療養の給付を受けることを求められた場合には、その者の提出する処方箋が健康保険法(大正十一年法律第七十号。以下「法」という。)第六十三条第三項各号に掲げる病院又は診療所において健康保険の診療に従事している医師又は歯科医師(以下「保険医等」という。)が交付した処方箋であること及び次に掲げるいずれかの方法によつて療養の給付を受ける資格があることを確認しなければならない。ただし、緊急やむを得ない事由によつて療養の給付を受ける資格があることの確認を行うことができない患者であつて、療養の給付を受ける資格が明らかなものについては、この限りでない。
保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則
一 保険医等が交付した処方箋
二 法第三条第十三項に規定する電子資格確認(以下「電子資格確認」という。)
三 患者の提出し、又は提示する資格確認書
薬局に保険証を忘れた場合はどのようになるのか?
月に1回必ず保険証を確認します。その時に、保険証が確認できなかった時は、対応はさまざまです。全額自己負担をお願いするケースもあれば、処方箋の有効期限が発行日をいれて4日間なので、保険証を持ってきてもらう対応などもあります。
また、月1回保険証を提示すれば、その後の処方箋の受付は、保険証の提示は基本的に必要ありません。
オンライン服薬指導でも同様に保険証が必要
オンライン診療やオンライン服薬指導でも保険証が必要になります。登録制のアプリでは、月を跨いだ診療や服薬指導の時に、最新の保険証への更新を求められます。
クロンの場合
クロンでは、診療時に、保険証の画像の添付が求められます。必ず、最新の保険証の画像を使い、送信してください。保険証が正しくなければ、保険が適用されず、医療費が高額になりがちです。
参考 クロンの使い方(クロン公式)
クリニクスの場合
クリニクスでは、画像の最終更新日が表示されます。月を跨いだ診療や服薬指導を受ける場合、必ず更新をするようにしてください。保険証が正しくなければ、保険が適用されず、医療費が高額になりがちです。