お薬の「禁忌」とは? 薬局で病気や症状を確認する理由

お薬には、特定の病気や体の状態、ほかのお薬との組み合わせによって、使ってはいけない場合があります。これを「禁忌(きんき)」といいます。
同じお薬でも、ある人には治療に役立ち、別の人には病気の悪化や重大な副作用につながるおそれがあります。禁忌にあたる条件は、お薬ごとに異なります。
代表的な禁忌の組み合わせ
禁忌には、病気や体の状態によって使えない場合と、お薬同士を一緒に使えない「併用禁忌」があります。例えば、代表的な禁忌には以下のような組み合わせがあります。
| 組み合わせの例 | 禁忌になる理由 |
|---|---|
| 現在、胃・十二指腸潰瘍がある方 × ロキソプロフェン | 潰瘍を悪化させることがあります。 |
| アスピリン喘息がある方・過去にあった方 × ロキソプロフェン(飲み薬) | 喘息発作を引き起こすことがあります。「アスピリン喘息」とは、アスピリンなどの解熱鎮痛薬で誘発される喘息のことです。 |
| フェブキソスタット(尿酸を下げるお薬)× アザチオプリン(免疫を抑えるお薬) | 血液をつくる働きが抑えられるなど、アザチオプリンの副作用が強まるおそれがあります。 |
| バルプロ酸(てんかんなどの治療薬)× カルバペネム系の抗菌薬 | 血液中のバルプロ酸の濃度が下がり、てんかん発作が再び起こることがあります。 |
「喘息があると、すべての痛み止めが禁忌」という意味ではありません。 また、現在潰瘍がある場合と、過去に潰瘍があった場合では、注意の区分が異なります。不安に感じた場合は、処方箋を調剤薬局に持っていく時に薬剤師に確認をとりましょう。
禁忌にあたるお薬が処方されたら?
薬剤師が「このお薬は、患者さんの病気や服用中のお薬に対して禁忌にあたるのでは?」と気づいた場合、処方せんを書いた医師に問い合わせます。これを「疑義照会(ぎぎしょうかい)」といいます。
薬剤師は、処方せんに疑わしい点があるとき、その点を確認した後でなければ調剤できません。医師と情報を共有し、お薬の変更が必要かなどを確認するため、お渡しまでに時間がかかることがあります。
医師から診断された病気は、薬剤師にも伝えましょう
薬局で病気や症状について質問するのは、お薬を安全に使えるか確認するためです。禁忌の見落としを防ぐことも、その目的に含まれています。
「医師には伝えたから、薬局では話さなくても大丈夫」と思うかもしれません。しかし、処方せんだけでは、診断された病気や体の状態をすべて把握できるとは限らないため、安全のための確認と思っていただければ幸いです。
安全な確認のため、次のことを薬剤師にも伝えてください。
- 医師から診断された病気や、現在治療中の病気
- ほかの医療機関で処方されたお薬、市販薬、サプリメント
- 過去にお薬で起きたアレルギーや副作用
- 妊娠中・妊娠の可能性があること、授乳中であること
お薬手帳も、忘れずにお持ちください。





